熊本県と鹿児島県に大雨特別警報、九州各県計約130万人に避難指示発令/2020年版国土交通白書を公表、豪雨災害増加を指摘し治水対策推進へ

● 熊本県と鹿児島県に大雨特別警報、九州各県計約130万人に避難指示発令
気象庁は4日(土)午前4時50分頃、九州地方で豪雨となり、熊本県と鹿児島県に大雨特別警報を発表。大雨特別警報が両県に発表されるのは初めて。国土交通省によると球磨川で決壊1カ所、氾濫11カ所が確認され土砂崩れも相次いでいます。政府は感染症対策としてマスクや消毒液等、物資を被災自治体の要請を待たずに送るプッシュ型支援を実施。農水省は熊本県に食料60,000点、飲料30,000点を順次供給しているとのこと。また4日(土)から停滞する梅雨前線の影響により6日(月)午後16時半頃に福岡、佐賀、長崎の3県にも大雨特別警報が発令、九州各県で計約130万人に避難指示が出されました(6日(月)午後20時時点)。豪雨により福岡県添田町では彦山川が氾濫、7日(火)午前8時35分頃に筑後川上中流部で氾濫が確認され、依然として予断を許さない状況が続いています。

 
● 2020年版国土交通白書を公表、豪雨災害増加を指摘し治水対策推進へ
先月26日(金)、国土交通省は2020年版国土交通白書を公表。今回の白書では、昨年に続いて自然災害の現状に重点をおいた内容に。1990~2009年までは年間の土砂災害発生件数が平均1,000件程度に対し、2010年以降は平均1,500件に増加、西日本豪雨が発生した2018年は、過去最大の3,459件の土砂災害が発生となっています。降雨量推移も分析され、1976~1985年と2010~2019年を比較すると、1時間に50mm以上もの激しい雨の発生回数が、年間で1.4倍にも増加したとのこと。今後の対応策として、企業の防災意識向上や保水機能確保といった「流域治水」を推進する方針としています。